各業界の特徴 電子材料編
電子材料業界の特徴
電子材料業界の特徴は下記の通りです。
景気循環する成長株
電子材料は主に、半導体に使われるシリコンウエハー、液晶ディスプレイに使われる偏光フィルム、ガラス基板などを指します。
これらを使った電子機器は次々と新しいものが誕生し、新たな市場も生まれます。
そしてそれに見合う電子材料も高度化していくため、長期的に成長が続く市場となります。
一方で、電子機器は景気変動の影響や、新たな製品が生まれるまでのサイクルもあるため、循環的に需要の増減が起きます。
また、電子材料も電子機器の需要増減に対して供給能力を調整しようとしますが、生産設備を短期間で作ったり壊したりはできないため、長期の時間がかかります。
そのため、電子材料も循環的な業績変動がメインとなります。
投資タイミングは逆張り
電子材料株に投資する場合は、循環的に動く株価の高値で売り、循環的に動く株価の底値で買うことが重要となり、成長株の特徴も相まって大きなリターンが得やすいです。
循環的に動く底値というのは、景気が悪く、電子機器の需要が少なく、業績が悪くなり、PERが割高に見えるタイミングです。
PERが割高であっても、景気循環の流れを見ればそこからは業績が回復して成長局面に入るため、一見無謀なタイミングに見えますが、これが結果的に最適な買いタイミングとなります。
循環的に動く高値というのは、景気が良く、電子機器の需要が多く、業績が良くなり、PERが割安に見えるタイミングです。
なお、何を持って需要が底をついたか確認するかというと、設備投資の量を監視するのが良いでしょう。
設備投資を多くする状況は、それなりの確度で需要の増大が見込めたタイミングのため、これから成長局面に入っていく公算が大きいということになります。
在庫調整がリスクになる
電子材料業界は常に電子機器の需要を監視しますが、需要が少なくなってもすぐに電子機器の生産調整ができるわけではありません。
そのため、需要を見込んで生産量をあげても、実はそれほどでもなかった場合は在庫調整を余儀なくされ、棚卸資産の増大を招くことになります。
技術の変化が激しい
次々と新製品が開発され、技術革新が起きる業界のため、常に新技術の研究開発は欠かせないという特徴があります。
ただし、基本的には現時点でシェアを多く握っている企業は情報量が多いため有利というのはあります。
シェアは大抵、徐々に変化していくものですが、シェア数の変動に常に注意を払っておき、技術の変化についていけているかを把握しておくことが重要です。