人の行く裏に道あり花の山

サラリーマン投資家トシのサクセスストーリー

負ののれんとは

のれんとは

のれんとは、買収される企業の純資産額と買収価格の差額を差します。

企業が持つ資産から負債を引いた額が純資産額です。

つまり純資産とはその企業の価値を表すのですが、実は、ブランドや技術力、人的資源、顧客との繋がりなど、目には見えない形の価値が含まれていません。

この見えない価値が「のれん」です。

買収する企業は買収先企業の見えない価値まで織り込んで買収するのです。

 

のれんの語源

 のれんといえば、お店の前にかかっている店名が書かれたあれです。のれん自体には価値がありませんが、その店を象徴するイメージになります。つまりは知名度(ブランド)や信頼など見えない価値の象徴になっているのです。

 

負ののれんとは

名前の通り、負ののれんとはマイナスののれん、つまり貸借対照表などからは判断できない、見えないリスクのことを指します。

例えば、簿外債務を持っている場合ですね。連帯保証の債務が実はあったりとか、従業員への給与未払いがあったとか、貸借対照表には書かれていないものがあったりするのです。

ほかにも、凄く良い立地のビルを持っているけれど、実は帳簿の金額よりも価値が激減していて価値がないケース、損害賠償請求されており、買収後に確定された場合は払わなければならないといったケースもあります。

これらのケースで負ののれんは発生し、買収時は純資産から負ののれん分を差し引いた安い金額で買収します。

 

負ののれんの損益計算

負ののれんは損益計算書では特別利益として計上されます。帳簿価格よりも安く買えた分を利益と捉えるのです。

ただし、負ののれんは説明した通り、目に見えないリスクです。手に入れたものをうまく活用できれば良いですが、リスクがそのまま顕在化してしまった場合、会社に損害を与えてしまいます。

つまり、負ののれんが特別利益に発生して当期純利益が増えていても、負ののれんのリスクが顕在化したら会社に大きなダメージになるということを理解して損益計算書を読む必要があります。

本当の収益力を見誤らないように注意しましょう。

 

正ののれん

のれんには正のものもあります。例えばブランドはその最たる例です。ブランドは貸借対照表には載らない見えない価値です。これは間違いなく買収後の大きなメリットになるため、純資産額に正ののれん額を足した金額で買収します。

正ののれんは貸借対照表の無形固定資産として計上され、減価償却されていきます。そのため、損益計算書では販売費一般管理費減価償却の費用として反映されます。